天井エアコンの効きが悪い。14畳から18畳に交換した方がいい?

天井エアコンの効きが悪い。14畳から18畳に交換した方がいい?

都内の新築マンションにお住まいのお客様から以下のようなお問合せをいただきました。

お問合せ:

    今年の7月に新築のマンションに引っ越しました。「14畳タイプ」でダイキン製の天井埋込形エアコンの「効き」が悪くて あまり部屋が涼しくなりません。14畳タイプの天井埋め込みエアコンを18畳タイプに交換工事したら部屋が冷えるようになりますか?



ちなみに、お客様は「ホントに部屋がちゃんと冷えるなら18畳タイプに交換しても構わない」と考えられていたようです。

新築マンションに住んでからまだ1ヵ月も経っていない段階での「エアコン交換工事」は、いくらなんでも流石にちょっと勿体ないですよね。そもそも、『エアコンの効き具合が悪い』原因は本当に「エアコンの能力・馬力不足」なんでしょうか?



エアコンの能力の確認と工事した場合のシミュレーション

まず、状況を整理。

現在お客さんのマンションについている天井カセットのエアコンは、「ダイキン製:天井埋込地形シングルフロー、14畳タイプ」です。

これに相当するハウジングエアコンの例として「ダイキン製:S40RCV」があります。また、これと同系統の「18畳タイプ」は「ダイキン製:S56RCV」という機種になります。

「S40RCV」から「S56RCV」に能力を上げた場合、冷房では「4.0kW」から「5.6kW」と確かにエアコンの冷房パワーは上がりますよね。

ただ、ダイキンのハウジングエアコン天井埋め込み形1方向の場合、「S40RCV」から「S56RCV」への交換工事は 「異形配管接続」になるため、室内機から室外機までの配管長に応じて冷房能力が下がってしまう点に注意が必要です。

エアコン配管の「異形接続」とは何か?

実は、エアコンの室内機と室外機を接続するガス配管の規格(太さ)は、 エアコンの馬力・能力に応じて微妙に変わっていたりすることがあります。

エアコンの交換等の際に異なる『規格(太さ)』同士の冷媒配管を接続する工事を「異形配管工事」等と呼ぶことがあります。

要するに、エアコンは、全ての機種で「一様に同じ規格・太さ」の冷媒配管を用いているわけではない、ということです。

今回の新築マンションのお客様が検討されている『「S40RCV」から「S56RCV」への交換』も、実はこの「異形配管工事」に該当します(詳しくは下記)。



エアコンを交換して馬力を上げても「異形配管工事」で能力が落ちる場合がある?

これはダイキンの「住宅設備用エアコン」のカタログの付録に記載されている記事から引用したものです。

(既設の冷媒配管の『再利用可否』の表でもあります。)

当記事で取り上げたお客様が該当している箇所だけ赤色に塗ってあります。 この新築マンションのお客様は、「S40RCV ⇒ S56RCV」を希望しているので、「2分/3分(6.4φ/9.5φ)」から「2分/4分(6.4φ/12.7φ)」への異形配管接続になります。

※ 画像引用:『ダイキン カタログ』より

ただ、この場合は可否表にも記載されている通り、「配管1メートルあたり1%の冷房能力ダウン」が発生する可能性があります。 例えば、このお客様のお宅の室外機と天井エアコンまでの配管長が10メートルあった場合、 例え14畳用を18畳用の「S56RCV」に交換して取付けたとしても、「10%」の冷房能力を落とした形でエアコンを使うハメになります。

つまり、このケースではあまり「意味のない工事」ということが言えます。 ただ、お客様のマンションを実際に現地調査してみないと 実際の冷媒配管の長さが分かりませんから「どの程度の能力ダウンがあるか」については一概には回答できません。

…で、結局はどうしたらいいわけ?

はい、その通りです。「じゃあ、結局何をどうしたらいいのか?」

もう一度整理しましょう。このお客様は「新築のマンション」で引っ越してから「まだ1ヵ月も経っていない」状態です。 繰り返しになりますが、これでまたエアコン交換工事をするのは結構費用が勿体ないですよね…?

新築の分譲マンションの開発には、基本的にインテリア屋や内装屋、エアコン等の空調屋、水道・電気設備工事屋等、 多数の工務店&工事業者が携わっています。

基本的に、新築マンションは不動産開発企業がこのような工務店・設備業者を多数取りまとめて エンドユーザに商品を売っているわけですが、中にはいい加減な設備工事しかしない工務店が居たりすることもあります。

だから、本当はハウジングエアコンの工事は、弊社のような「エアコンの販売・取付工事のみを行っている専門業者」に依頼するのがベストなんです。 ただ、新築の分譲マンションとなると、エアコン専門企業ではない工務店が絡んでいたりする場合もあります。

工務店が行ったいい加減なガス配管接続工事によって配管から「ガス漏れ」を起こしたためお部屋が冷えない、 という可能性も十分考えられます。

まずは取付け工事を行った工務店に相談し、「ガス漏れの可能性」等についての調査を依頼してみるといいでしょう。

また、買ったばかりのエアコンですから、「メーカー保証」が付いているはずです。 その保証をしっかり活用してメーカーに対応してもらうのも一つの手ですね。

メーカーにも見てもらったが「異常はありません」と回答された。どうしたらいい?


    保証も活用したし、メーカー調査も依頼したけど結局改善には至ってない。やはり交換するしかない

そういうときは是非弊社までご相談下さい。 弊社は天井エアコンだけではなく、壁掛形、床置形、ビルトイン形等、あらゆるタイプのハウジングエアコンの取付け工事を一年中行っている エアコンの専門業者です。工事エリアは東京都内から近郊(神奈川、千葉、埼玉)まで対応しています。 現地調査は(離島や極端な僻地を除き)基本的に無料です。

エアコンの効きが悪い場合の対処方法について

エアコンの効きが悪い原因は幾つかありますが、「エアコンのフィルターお掃除」でなんとか改善する場合があります。 また室外機の前に障害物を置くなど、機器の放熱効果や送風口を塞ぐ要因を取り除くだけで症状の改善が見込める場合があります。 詳しくはこちらから:『天井エアコンの効きが悪い場合の対処方法について

【まとめ】

  • エアコンの能力によって配管の規格(太さ)が違うことがある
  • エアコンの冷房能力が低下する「異形配管接続」の組合せが存在する
  • エアコンのお掃除でメンテナンスしてみる。取付け業者に一度相談してみる


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