施工不良や工事の不備等、よほどのことが無い限りエアコンから水漏れすることはありませんが、 それでもやはり水漏れを起こしてしまう場合もあります。 今回は、天井エアコンから水漏れを起こす原因や排水の仕組み等について考えてみたいと思います。
エアコンを使う以上、エアコン内部から発生する水滴や結露で出てきた水分を排水する仕組みがどうしても必要です。 それが「ドレン排水管」です。 ただ、このドレン管から水分を適切に排水するためには、 エアコン本体から排水口側に向かって「勾配(こうばい)」が設けられている必要があります。
勾配とは、傾斜のことです。ドレン配管の「A点」から「B点」にむけて一定以上の角度で傾きが存在することで重力の法則にしたがって 水分が高い位置から低い位置に流れていく仕組みです。これがドレン管に必要な勾配です。
エアコンからの水分を排水するためにはドレン管に「勾配」が必要な点は確認できました。次は、「どうやって勾配を確保するのか」についてのお話です。
天井エアコン内部では「ドレンアップ」とよばれるポンプ装置を用いることで水分を吸い上げて「一度上に持ち上げる」という操作を行います。先刻の「勾配」の図を参照して下さい。これが「ドレンアップ」のポンプ機器です。
この「ドレンアップ」の操作で水を上に持ち上げ「勾配」を確保してからドレン配管で低い方に水を流して排水する仕組みです。
このポンプの装置は『ドレンアップキット』等と呼ばれています。
天井エアコンからの水漏れの原因の一つとして、前述の「勾配」の不足が考えられます。
つまり、エアコンを新設、若しくは、交換工事で機器を設置した際にドレン排水管の勾配をよく計算せずに、又は、確認することなくいい加減に設備を取付けたことが要因になっているケースです。
ただ、天井エアコンというものは一般家庭用のルームエアコンのような簡単な取付け工事とは違い、 設置に相当の技術&経験を必要とします。
ですから、実際の取付け&交換工事には熟練の工事業者が必ず携わっていますので、 通常は滅多なことでは天井エアコンからの「水漏れ」は起きないハズです(逆にあったら専門業者としてかなりマズイです)。
例え「勾配」が確保されていたとしても、配管の接続の仕方が甘ければ配管と機器の連結部から水滴が漏れてもおかしくはありません。
ですから、配管の接続工事はしっかり行う必要があります。
これはドレンアップ機器そのそもに原因があるパターンです。 例え、ドレン配管接続工事と勾配の確保が完璧だったとしても、ドレンアップ自体が経年劣化や 故障によって「吸い上げ力」が落ちていたら意味がありませんよね。
一般家庭用と違い、天井エアコンではあまりこういう例は見られないのですが、 たまにホコリやごみがドレン配管に詰まり過ぎて配管からの排水がスムーズに行われない場合があります。排水が上手くいかないので、エアコンの本体内部から水漏れしてしまいます。
ドレンポンプの機器自体に問題は無い、ドレン配管の接続工事の不良でもない、また、ゴミの「配管詰まり」でもない、でも、水漏れが何故か発生している、という場合もあります。
エアコンに溜まった水が「スライム化」したため排水不良を起こして水漏れの原因になることがあるようですね。 スライムといっても、もちろん『ドラゴンクエスト』のモンスターの事ではありません。
エアコン本体で発生した水分が半分”ドロドロ”の状態になりかかって”粘性度”を増した状態の水分をスライムと呼ぶそうです。 この状態に陥った液体をドレンポンプで吸い上げようとしてもなかなか上手くいかないものです。通常よりもより吸引力の高い機器を用いないとスライムを排出することは難しくなります。
この『スライム』については以下のサイトが参考になりますね。
【まとめ】